K-POPの『世界観戦略』のお話
K-POPと聞くと何を思い出すでしょうか。
世界で活躍しているとか実力派など、良いイメージだけでなく、某テレビ局によるごり押しや韓国芸能界の黒い噂などマイナスなイメージ少なからず存在していると思います。
残念なことで、K-POP好きに向けたこのブログで言うことではない気もしますが、
事実私自身それほどK-popにいい印象を抱いていなかったのです。
それなのに、K-POPにここまではまれたのか。
考えてみた結果が、『世界観戦略』です。
もちろん造語です。
まずはJ-POPとの比較から入りましょう。
日本のアイドルのパフォーマンスはとても日本的です。
何言ってんだ、当たり前だろ、と言われそうですがとりあえず話を聞いてくれ!
世界的に見てもとても特異で、日本独自に発展したもののように思えます。
アイドルといえば呼ばねばならないAKB48~!
わー、可愛い子いっぱいいすぎて選べないね!
キュートです、ひたすらキュートです。
水着なのにセクシーさよりキュートさが先立ちますね。
なんとなく踊れそうと思えるダンス、歌も一緒に歌えそうな気もします。
親しみの湧く、一緒に楽しむ曲です。
男性アイドルといえば嵐でしょうか。
公式でMVないようなので、メドレーで。
どれもこれも一度は聞いたことある曲!
歌える曲がある方もいるかな?
どの曲もキャッチーで爽やかですね。
だんだん成長していくのがわかって面白いです。
さて、どうでしょう。
ジャニーズもAKBも親しみが大事にされていると思いませんか。
親しみやすさの他にも、メンバー同士の中の良さや、ユニット内での『役割』の割り振りなどを押し出す傾向にあります。
総合すると、キャラクター性と感情移入です。
曲が好きだから買うのではなく、あの子が歌っているから買うというユーザーがある程度は存在する市場です。
また、日本のアイドルは、歌やパフォーマンスが未完成の状態でデビューすることも多くあります。
成長を見守るのがファンの楽しみの一つになっているんですね。
一方、韓国のアイドルは完成された歌やパフォーマンスをデビューの時から披露します。
完成された世界観を披露するんです。
やっと出てきた、世界観って言葉!
この世界観的を重視する傾向は、アルバムごとにきっちりとコンセプトを押し出してくる点に色濃く見られると思います。
韓国のアイドルはこのコンセプトを体現するためにアルバムが発売するたびに、髪型を変えることも多いですよね。
日本人からすると、そんなにコロコロ髪型変えられたらメンバー覚えにくいよ、とも思えます。
もちろん、彼らだって顔と名前は覚えてもらいたいに違いありません。
でも、用意された世界観の登場人物の一人であることの方が重要なのですね。
典型的な世界観演出の例がコンセプトアイドルと言われるVIXXですね。
빅스(VIXX) - 사슬 (Chained up) Official M/V
奴隷がテーマってすげえなって思ったけど、どう考えてもかっこいいですありがとうございます。
ダンスもボーカルも完成度が高いのもお分かりいただけるだろうか。
女性アイドルも見てみますか、Red Velvetちゃん~
Red Velvet 레드벨벳_Dumb Dumb_Music Video
中毒性の高い音楽に合わせて可愛らしい片思いの歌詞が歌われます、可愛い。
でも、見て欲しいのはPVです。
目の覚めるようなビビットな色の海に、ロボットのように振る舞う少女たち。
風刺画のようなシュールな光景が繰り広げられ、チャップリン映画を思い出します。
この『可愛い』一言で片付けられない世界感が、Red Velvetの魅力の一つです。
その他にも、世界観や超能力を割り当てられたEXOに顕著に『世界観』が見て取れますね。
また、SMエンターテイメントについて言えば、ストーリーを仕掛ける戦略が存在します。
SHINeeの『Sherlock』のダンスでメンバーを翻弄する役目を負っていたテミンはつまり犯人であり、ソロのタイトル曲『Danger』の原題は『怪盗』でした。
そして、『view』のMVのラストに、サイレンの響く中クローズアップされるのはテミンです。
とうとう捕まっちゃいました、ということでしょうか。
この一連のストーリーもまた、世界観の構築と取ることもできるのではないでしょうか。
この世界観から攻めていく戦略、オタクである私にとても優しいものです。
どこまでも深読みできる世界、ロマンなわけです、そりゃハマるよ。
とはいえ、J-POPにも世界観戦略はあるし、K-POPにもキャラクター性のアピールというのは確実に存在します。
結局、どう楽しむかはユーザー次第なのかもしれません。